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論文

Elemental analysis and radioactivity evaluation of aerosols generated during heating of simulated fuel debris; The Urasol project in the framework of Fukushima Daiichi fuel debris removal

坪田 陽一; Porcheron, E.*; Journeau, C.*; Delacroix, J.*; Suteau, C.*; Lallot, Y.*; Bouland, A.*; Roulet, D.*; 三次 岳志

Proceedings of International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM2023) (Internet), 6 Pages, 2023/10

福島第一原子力発電所(1F)における燃料デブリ取出しを安全に実施するためには、燃料デブリの切断時に発生する放射性微粒子の定量評価が必要である。我々はウラン含有のIn/Ex-Vessel組成を持つ模擬燃料デブリを作製し、それらを加熱した際に生じるエアロゾルの物理、化学的特性を評価した。それらを基に1F-Unit2の燃料デブリを加熱法の代表例であるレーザー切断した際に生じるエアロゾルの同位体組成と放射能を推定したところ、$$^{238}$$Pu、$$^{241}$$Am、$$^{244}$$Cmを主とするプルトニウムが$$alpha$$核種として、$$^{241}$$Pu、$$^{137}$$Cs-Ba、$$^{90}$$Sr-Yが$$beta$$核種としての着目核種であることが分かった。

論文

Aerosol characterization during heating and mechanical cutting of simulated uranium containing debris; The URASOL project in the framework of Fukushima Daiichi fuel debris removal

Porcheron, E.*; Journeau, C.*; Delacroix, J.*; Berlemont, R.*; Bouland, A.*; Lallot, Y.*; 坪田 陽一; 池田 篤史; 三次 岳志

Proceedings of International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM2023) (Internet), 5 Pages, 2023/10

福島第一原子力発電所(1F)の損傷した原子炉の廃止措置における重要な課題である燃料デブリの切断作業における放射性エアロゾルの発生と飛散を評価する目的で行われたURASOLプロジェクトにおいて、模擬燃料デブリの加熱および機械的切断に伴い生成するエアロゾルの質量濃度、リアルタイム数密度、質量基準の粒径分布、形態、および化学的特性の観点からの特性評価について報告する。加熱試験においては温度上昇に伴う粒径増大が観察され、粒子数密度に関しては劣化ウランを用いた模擬燃料デブリを用いた例がHf含有模擬燃料デブリを用いた試験よりも小さい数密度であった。機械的切断においてはエアロゾルの空気動力学的質量中央径は、放射性試料と非放射性試料でほぼ同程度(約3.7$$sim$$4.4$$mu$$m)であった。

論文

Development of risk assessment code for dismantling of radioactive components in decommissioning stage of nuclear reactor facilities

島田 太郎; 笹川 剛; 三輪 一爾; 高井 静霞; 武田 聖司

Proceedings of International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM2023) (Internet), 7 Pages, 2023/10

原子力発電所の廃止措置段階の原子力規制検査をリスク情報に基づいて実施する必要があるが、このリスクを定量的に評価する手法が整備されていない。そこで、本研究では、廃止措置安全評価コードDecAssessをもとに、廃止措置段階で発生する可能性のある事故事象のイベントツリーを整備し、解体対象機器ごとに事故シーケンス別被ばく線量と発生確率から放射線リスクを評価するコードDecAssess-Rを開発した。その際にHEPAフィルタなどに蓄積し、事故時に一挙に放出される可能性のある移動可能な放射能量が解体作業の進展に伴って時間的空間的に変動することを考慮した。起因事象は廃止措置段階及び類似する分解・交換作業における国内外のトラブル情報を調査した結果をもとに設定し、その起因事象からイベントツリーを構築した。また、事象発生頻度は一般産業の情報も参考に、事象進展確率は運転段階の機器故障確率などをもとに設定した。このとき、廃止措置の進展に伴って削減される安全機能を解体作業スケジュールに沿って設定できるようにした。米国参考BWRを対象に解体作業を設定してリスク評価を行った。その結果、炉内構造物の解体作業時に火災が発生して、周囲に一時保管されていた放射性物質を含む可燃物やフィルタ類に延焼する場合に公衆被ばく線量が最大になった。本事象は、事故シーケンスの発生確率も大きいため、最大の放射線リスクを示した。

論文

Changes in sulfur metabolism in mouse brains following radon inhalation

神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 片岡 隆浩*; Sun, L.*; 田中 裕史; 大津 厳生*; 山岡 聖典*

International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(17), p.10750_1 - 10750_14, 2022/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)

活性イオウ分子種(RSS)は、酸化ストレスに深く関連して抗炎症作用があると報告されているが、放射線被ばく後のRSSの変化についてはまだわかっていない。そこで、本研究では、ラドン吸入後のマウス脳中のRSSに注目し、関連代謝物を網羅的に解析した。その結果、酸化型グルタチオンと還元型グルタチオンの割合、グルタチオンおよびシステインのRSSの割合はラドン吸入によって増加した。本研究でのラドン曝露は非常に低線量であったが、その酸化ストレス下でイオウイオンがグルタチオンやシステインに結合したと考えられる。また、我々は、機械学習を用いた代謝物の変化の総合的な評価により、ラドン吸入による特徴的な変化を明示した。本研究の結果は、RSSがラドン吸入の酸化ストレスに対する生体防御機構をもたらす可能性を示唆した。

論文

Analysis of factors contributing to the increase in $$^{7}$$Be activity concentrations in the atmosphere

楢崎 幸範*; 迫田 晃弘; 赤田 尚史*; 伊藤 久徳*; 百島 則幸*

International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(16), p.10128_1 - 10128_9, 2022/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:25.27(Environmental Sciences)

2013年3月、西日本の太宰府市で大気中$$^{7}$$Be濃度の上昇が連日観測された。$$^{7}$$Be濃度の日平均は0.93-14mBq/m$$^{3}$$、月平均は8.3mBq/m$$^{3}$$であった。この月平均値は1999年から2015年にかけて観測された月平均の中で最も高く、この期間の月平均(4.7mBq/m$$^{3}$$)に標準偏差の2倍(1.7$$times$$2mBq/m$$^{3}$$=8.1mBq/m$$^{3}$$)を加えた値よりも高い値であった。また、$$^{7}$$Be生成の要因である宇宙線強度が低い3月(1999-2015年で2013年を除く)のみの月平均値(6.0mBq/m$$^{3}$$)を上回った。後方流跡線解析の結果から、2013年3月に頻発した高緯度での成層圏や対流圏上部からの空気流入が$$^{7}$$Be濃度上昇の原因と考えられた。

論文

Radon solubility and diffusion in the skin surface layer

迫田 晃弘; 石田 毅*; 神崎 訓枝; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(13), p.7761_1 - 7761_12, 2022/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)

ラドン温泉の入浴のような温泉水中のラドン濃度が空気中よりも著しく高い状況においては、皮膚を通じたラドンの摂取が起こるため、より正確な線量評価には本経路を考慮すべきであると考えられている。本研究の目的は、皮膚表面層(角質層)に着目して、皮膚中のラドン分布と拡散の程度を明らかにすることである。角層での拡散理論を含む体内動態モデルを作成し、その重要なパラメータである角層へのラドン溶解度を測定した。モデル計算により、角質層におけるラドンの拡散係数は、一般的なラドン難透過シートと同程度に低いことが示された。入浴20分間後の皮膚中ラドンの深さ分布について、皮膚最表面のラドン濃度は表皮・真皮層の1000倍ほど高いことがわかった。ラドンの位置情報は、皮膚に特定の標的細胞を想定するような線量評価に貢献すると考えられる。

論文

Discriminative measurement of absorbed dose rates in air from natural and artificial radionuclides in Namie Town, Fukushima Prefecture

小倉 巧也*; 細田 正洋*; 玉熊 佑紀*; 鈴木 崇仁*; 山田 椋平; 根上 颯珠*; 辻口 貴清*; 山口 平*; 城間 吉貴*; 岩岡 和輝*; et al.

International Journal of Environmental Research and Public Health, 18(3), p.978_1 - 978_16, 2021/02

 被引用回数:7 パーセンタイル:67.35(Environmental Sciences)

Ten years have elapsed since the accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant in 2011, and the relative contribution of natural radiation is increasing in Fukushima Prefecture due to the reduced dose of artificial radiation. In order to accurately determine the effective dose of exposure to artificial radiation, it is necessary to evaluate the effective dose of natural as well as artificial components. In this study, we measured the gamma-ray pulse-height distribution over the accessible area of Namie Town, Fukushima Prefecture, and evaluated the annual effective dose of external exposure by distinguishing between natural and artificial radionuclides. The estimated median (range) of absorbed dose rates in air from artificial radionuclides as of April 1, 2020, is 133 (67$$sim$$511) nGy h$$^{-1}$$ in the evacuation order cancellation zone, and 1306 (892$$sim$$2081) nGy h$$^{-1}$$ in the difficult-to-return zone. The median annual effective doses of external exposures from natural and artificial radionuclides were found to be 0.19 and 0.40 mSv in the evacuation order cancellation zone, and 0.25 and 3.9 mSv in the difficult-to-return zone. The latest annual effective dose of external exposure discriminated into natural and artificial radionuclides is expected to be utilized for radiation risk communication.

論文

Empirical equations of crack growth rates based on data fitting of neutron irradiated stainless steel under high temperature water simulating boiling water reactor core conditions

笠原 茂樹; 知見 康弘; 端 邦樹; 福谷 耕司*; 藤井 克彦*

Proceedings of 19th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors (Internet), p.1345 - 1355, 2019/08

本研究では、BWR炉内構造物の構造健全性評価に資することを目的として、中性子照射影響を適切に反映したオーステナイト系ステンレス鋼のIASCC亀裂進展速度に係る経験式を開発した。亀裂進展速度の経験式は、応力拡大係数Kと亀裂成長速度(da/dt)との間の関係式da/dt=M$$times$$K$$^{n}$$に基づき、Mとnは中性子照射量の増加に伴って飽和する関数として扱った。経験式の開発に当たっては、照射ステンレス鋼を用いたBWR通常炉水条件(NWC)及び水素注入条件(HWC)模擬環境下での照射後試験で得られた亀裂進展速度の文献データを収集したデータセットを用いた。データセットと構築した経験式を比較したところ、NWCの計算結果はデータセットと良く一致したが、HWCは合致しなかった。この理由として、HWC条件下での試験データが広範囲にばらついていたことが考えられる。

論文

Empirical equations for tensile properties and stress-strain curves of neutron irradiated stainless steels in LWR conditions

福谷 耕司*; 藤井 克彦*; 知見 康弘; 端 邦樹

Proceedings of 19th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors (Internet), p.523 - 531, 2019/08

軽水炉の炉内構造物の構造健全性評価に資するため、中性子照射したオーステナイト系ステンレス鋼の最新の引張特性データベースを用いたデータフィッティングにより、引張特性の中性子照射量依存性を示す経験式と、応力-ひずみ関係を示す傾向曲線を提案した。データベースに収められた引張特性データは、日本の国家プロジェクトの報告書と公開文献から得られたもので、データシートの形でまとめた。引張特性の中性子照射量依存性を示す経験式は、冷間加工316と溶体化304/316ステンレス鋼に対し、照射量の増加に伴って飽和する式に基づき、温度範囲280-350$$^{circ}$$C、損傷量範囲で最大80dpaを対象として検討した。また、応力-ひずみ関係を示す曲線はSwiftモデルに基づいて検討した。こうして得られた経験式と応力-ひずみ関係の計算結果は、実験値によく一致した。本論文では、組成と冷間加工等、材料の相違の影響について議論した。

論文

Estimation of radiocesium dietary intake from time series data of radiocesium concentrations in sewer sludge

Pratama, M. A.; 高原 省五; 宗像 雅広; 米田 稔*

Environment International, 115, p.196 - 204, 2018/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:7.09(Environmental Sciences)

After the Fukushima accident, it became important to determine the quantity of radionuclide ingested by inhabitants. The most common methods currently used to obtain such data are the market basket (MB) and duplicate (DP) methods. The newly proposed method, which we designate as SL, consists of three steps: (1) the separation of wet weather and dry weather data, (2) determining the mass balance of the wastewater treatment plant (WWTP), and (3) developing a reverse biokinetic model to relate the amount of radionuclides ingested to the amounts contained in the sewer sludge. We tested the new method using the time-dependent radiocesium concentrations in sewer sludge from the WWTP in Fukushima City. The results from the SL method agreed to those from the MB while overestimated those from DP method. The trend lines for all three methods, however, are in good agreement. Sensitivity analyses of SL method indicate further studies on uncertainties of sensitive parameters are deemed necessary to improve the accuracy of the method.

論文

Large-eddy simulation studies for predicting plume concentrations around nuclear facilities using an overlapping technique

中山 浩成; 竹見 哲也*

International Journal of Environment and Pollution, 64(1/3), p.125 - 144, 2018/00

原子力緊急時において、プルーム拡散挙動や汚染域の空間分布などの詳細情報を得るために、Large-Eddy Simulation(LES)に基づく計算流体力学モデルの活用が有効である。しかしながら、LESによる非定常計算の実行に膨大な時間が必要であることが緊急時の適用において課題となっている。そのため、局所域スケールでの大気拡散挙動を迅速かつ詳細に予測できる計算手法の開発を目的とする。本研究で提案する手法は、初めに、代表的な風速データを入力条件として与えた仮想気象条件下で原子力施設から点源放出されたプルームの大気拡散計算を36風向について行い、10分平均での風速と濃度のデータを各風向毎に作成する。次に、風洞実験で用いる重合法を応用して、対象期間での濃度分布を、平均風向の出現頻度に応じて10分平均濃度分布を重ね合わせて評価する。本手法の妥当性を調べるために、観測データを入力条件として与えた実気象条件下での大気拡散計算を行い、重合法により推定された濃度分布と比較した。その結果、変化する気象状況下での1時間平均濃度分布と良好に対応することが示された。これにより、重合法を用いた局所域大気拡散計算手法は即時対応が可能であることが示唆された。

論文

Effect of long-term thermal aging on SCC initiation susceptibility in low carbon austenitic stainless steels

青木 聡; 近藤 啓悦; 加治 芳行; 山本 正弘

Proceedings of the 18th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors, Vol.2, p.663 - 672, 2018/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:57.67(Materials Science, Multidisciplinary)

本研究は、低炭素オーステナイトステンレス鋼の応力腐食割れ発生感受性に及ぼす長時間熱時効の影響を明らかにすることを目的とした。試料にはステンレス鋼の304Lおよび316Lを用いた。両ステンレス鋼とも20%の冷間加工(CW)を施し、その後288$$^{circ}$$Cで14,000時間熱時効(LTA)を加えた。応力腐食割れ発生感受性の評価として、BWRを模擬した環境下ですき間付き定ひずみ曲げ試験(CBB)試験を実施した。304L CW + LTAは応力腐食割れ発生感受性を示さなかった。一方で、316Lの応力腐食割れ発生感受性は冷間加工と長時間熱時効が組み合わさることで増大した。これらの結果を理解するために、CWおよびLTAによって引き起こされる金属組織や機械的性質の変化、およびそれらと応力腐食割れ発生感受性との関係について議論した。

論文

In situ electrochemical study on crevice environment of stainless steel in high temperature water

相馬 康孝; 加藤 千明; 上野 文義

Proceedings of the 18th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors, Vol.2, p.509 - 521, 2018/00

高温高圧水中におけるステンレス鋼のすき間内環境を調べるために、電気化学的手法によるその場観察を行った。小型($$phi$$250$$mu$$m)のセンサーをすき間内に設置し、すき間内の局部的導電率、$$kappa$$$$_{rm crev}$$、分極抵抗、および腐食電位の測定を行った。これにより、バルク水導電率、バルク水溶存酸素濃度などの外部環境を変動させた際のすき間内環境の応答挙動をリアルタイムに分析した。その結果、すき間内の場所に依存して$$kappa$$$$_{rm crev}$$が1桁以上変動すること、$$kappa$$$$_{rm crev}$$はバルク水の溶存酸素濃度を脱気状態から30ppb程度までに上昇させただけで敏感に応答して増加すること、溶存酸素濃度32000ppbでは$$kappa$$$$_{crev}$$はバルク水の100倍以上の値となること、並びにそれらの挙動はすき間形状に大きく依存することを明らかとした。

論文

Evaluation of crack growth rates and microstructures near the crack tip of neutron-irradiated austenitic stainless steels in simulated BWR environment

知見 康弘; 笠原 茂樹; 瀬戸 仁史*; 橘内 裕寿*; 越石 正人*; 西山 裕孝

Proceedings of the 18th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors, Vol.2, p.1039 - 1054, 2018/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:57.67(Materials Science, Multidisciplinary)

照射誘起応力腐食割れ(IASCC)による亀裂進展挙動を理解するため、中性子照射したオーステナイト系ステンレス鋼の亀裂進展試験を実施して亀裂進展速度を評価し、亀裂先端における変形組織と酸化皮膜に着目したミクロ組織観察を実施した。供試材は12$$sim$$14dpaまで中性子照射した316Lステンレス鋼で、BWR模擬水質環境(約288$$^{circ}$$C)下で亀裂進展試験を行った。また亀裂進展試験後、FEG-STEMを用いて亀裂先端のミクロ組織を観察した。試験の結果、腐食電位(ECP)の低減による亀裂進展抑制効果は、文献で示されている約2dpa以下の損傷量の低い材料と比較して顕著ではなかった。また1000時間以上高温水中に浸漬し、高ECPと低ECPの双方の環境に置かれた試験片の亀裂内には酸化物形成が認められたが、低ECP条件下のみを経験した亀裂先端近傍には酸化皮膜の形成がほとんど認められなかった。さらに、亀裂先端近傍には変形に伴う双晶組織が高密度に形成していた。これらの結果より、高損傷量のステンレス鋼の亀裂進展挙動において、局所変形と酸化が支配的な因子であることが示唆された。

論文

Estimation of the vertical distribution of radiocesium in soil on the basis of the characteristics of $$gamma$$-ray spectra obtained via aerial radiation monitoring using an unmanned helicopter

越智 康太郎; 佐々木 美雪; 石田 睦司*; 濱本 昌一郎*; 西村 拓*; 眞田 幸尚

International Journal of Environmental Research and Public Health, 14(8), p.926_1 - 926_14, 2017/08

 被引用回数:4 パーセンタイル:22.46(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所事故後、環境中の放射性セシウムの挙動を把握するために土壌中放射性セシウムの深度分布が調査されてきた。一般的な放射性セシウムの深度分布の測定手法は、土壌試料の採取及び放射能測定といった観点から煩雑である。本研究では、我々は無人ヘリコプターを用いた上空からの放射線計測により得られた$$gamma$$線スペクトルの特徴に着目することで、放射性セシウムの深度分布の推定手法を確立した。本手法は、放射性セシウムの深度分布を定量的に評価するために、様々な深さにおける散乱$$gamma$$線に対する直接$$gamma$$線の比の変動に着目した。結果から、前述の遠隔測定の結果と実際の土壌中放射性セシウムの深度分布との間に正の相関があることが分かった。

論文

Analysis of intergranular cracking in an alloy steel by hydrogen-enhanced decohesion

山口 正剛; 海老原 健一; 板倉 充洋

Proceedings of 2016 International Hydrogen Conference (IHC 2016); Materials Performance in Hydrogen Environments, p.563 - 571, 2017/00

原子炉内構造材料の応力腐食割れメカニズム解明の一環として、鉄鋼の水素脆化メカニズム候補の一つである凝集エネルギー低下(Hydrogen-Enhanced DEcohesion = HEDE)説の検証のため、第一原理計算を用いた研究を行っている。鉄粒界凝集エネルギー低下をもたらす水素の効果を、炭素やその他の偏析元素の影響を加えつつ計算した。その第一原理計算結果と破壊力学試験を組み合わせた解析から、粒界に偏析した水素がもたらすHEDE以外にも、モバイル水素によるHEDEが生じていることが示唆された。

論文

Determination of detrapping and trapping rate constants for hydrogen based on experimental thermal desorption spectra

海老原 健一; 齋藤 圭*; 高井 健一*

Proceedings of 2016 International Hydrogen Conference (IHC 2016); Materials Performance in Hydrogen Environments, p.470 - 477, 2017/00

鉄鋼の水素脆化機構を理解するためには、鋼材中の欠陥における水素トラップ状態を推定する必要あり、水素昇温脱離解析はそのための有効な方法である。しかし、水素昇温脱離解析で得られる昇温脱離スペクトルは、欠陥による水素トラップの情報を含むが、実験条件や水素拡散に影響されるため、数値シミュレーションによる昇温脱離スペクトルの解釈が必要となる。本研究では、数値シミュレーションに必要となる水素のデトラップ及びトラップ速度定数を、焼戻しマルテンサイト鋼の拡散の影響を無視できる程度の厚さの板状試料から得た実験昇温脱離スペクトルから決定し、その速度定数を用いてよりサイズが大きい棒状試料から得たスペクトルの再現を試みた。その結果、得られた速度定数を使ったモデルは、そのスペクトルをうまく再現することができた。この結果から、拡散が無視できる程度の試料の実験スペクトルから得た速度定数は、サイズや形状が異なる試料のスペクトルのシミュレーションでも使えることが分かった。

論文

Effects of gamma-ray irradiation on spontaneous potential of stainless steel in zeolite-containing diluted artificial seawater

加藤 千明; 佐藤 智徳; 上野 文義; 山岸 功

Proceedings of 17th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors, Vol.2, p.1357 - 1374, 2016/05

福島第一原子力発電所事故の汚染水処理で発生する廃ゼオライト吸着塔の腐食評価の基礎的検討として、$$gamma$$線照射下における人工海水を含んだゼオライト中のステンレス鋼(SUS316L)の電気化学試験を行った。ステンレス鋼の定常自然浸漬電位は$$gamma$$線照射により貴化し、吸収線量率の増加に従い定常自然浸漬電位が上昇した。この電位上昇は、主に放射線分解で生じるH$$_{2}$$O$$_{2}$$濃度の増加によるものであることを明らにした。一方、ゼオライト共存系では$$gamma$$線照射下の定常自然浸漬電位を低下させた。これは、ゼオライトによるH$$_{2}$$O$$_{2}$$濃度の低下によるものであり、ゼオライトの種類によりH$$_{2}$$O$$_{2}$$分解率が異なることを明らにした。$$gamma$$線照射下におけるステンレス鋼の電位上昇機構は放射線により生じるH$$_{2}$$O$$_{2}$$がステンレス鋼のカソード反応を活性化するためであり、ゼオライトはH$$_{2}$$O$$_{2}$$の生成を抑制するために電位が低下することを明らかにした。ステンレス鋼の局部腐食発生電位は、照射の有無、ゼオライトの種類や接触により大きく変化しないことから、ゼオライト共存は$$gamma$$線照射下において定常自然浸漬電位を低下させ、局部腐食発生リスクを低減できることが期待できることを明らにした。

論文

Formative mechanism of inhomogeneous distribution of fractures, an example of the Toki Granite, Central Japan

笹尾 英嗣; 湯口 貴史*; 伊藤 康人*; 井上 貴至*; 石橋 正祐紀

Proceedings of 10th Asian Regional Conference of International Association for Engineering Geology and the Environment (IAEG ARS 2015) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2015/09

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、割れ目ネットワークの理解は物質移動特性を評価する上で重要な課題である。本報告では、土岐花崗岩を事例として、割れ目の不均一な分布の成因を検討した。土岐花崗岩では、浅部に低角度および高角度傾斜の割れ目の多い部分があるが、深部では割れ目の数は減少し、高角度傾斜割れ目が卓越する。また、高角度傾斜割れ目の密度分布は不均一である。熱年代学および古地磁気学的研究からは花崗岩形成初期には冷却速度が速く、地磁気方位がばらつくことが明らかになった。これらのことから、花崗岩は急速冷却期に不均一に歪が分布し、その結果として脆性領域に達した際に歪分布に基づいて、不均一に割れ目が形成されたと考えられる。このことから、割れ目ネットワークの理解には、花崗岩冷却過程の理解が必要である。

論文

Washout of clay-rich gouge in a pregrouted fault zone and increase of groundwater inflow during tunnel excavation in Neogene siliceous mudstone (Horonobe, Japan)

石井 英一; 橋本 祐太; 稲垣 大介*

Proceedings of 10th Asian Regional Conference of International Association for Engineering Geology and the Environment (IAEG ARS 2015) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2015/09

本報告は粘土優位なガウジを伴うプレグラウト済の断層帯から生じた坑道掘削中の湧水について述べる。幾つかの観察事実に基づくと、ガウジが坑道掘削中にロックボルトや吹付コンクリートとガウジ部の境界部からトンネル内に洗い流されたことが示唆される。その結果、ガウジ内に生じたパイピングもしくは侵食によってプレグラウト範囲外から坑道内への地下水の流れが促進された。ある壁面の一次吹付を行った後、吹付コンクリートを突き破ってガウジ部に新たに形成された水みちから顕著な湧水が発生した。粘土優位なガウジを伴う断層帯をプレグラウトする際は、ガウジ自身はその低空隙率ゆえにセメントされないので、坑道掘削中のガウジの洗い出しに十分注意する必要がある。

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